マホガニー

マホガニー


マホガニー

チーク、ウォールナットに続く世界三大銘木のマホガニーはカリブで発見されたことから「カリブの宝」とも言われます。

オークやウォールナットが家具に多く使われていた時代にマホガニーは船やカヌーを作るためだけに使われておりました。

中南米が主な生息地なマホガニーですが、当時は輸入した木材には税がかけられることもあり家具材としては注目されておりませんでした。ところが17世紀の大寒波によりウォールナット材がヨーロッパで激減し、輸出大国だったフランスからのウォールナット輸出禁止措置を取りました。それに代わるマホガニーがヨーロッパで少しづつ使われるようになりました。イギリスでは1721年に輸入税が撤廃になったことにより、マホガニーが積極的に使われるようになったのです。18世紀初頭まではイギリスの高級家具にはウォールナットが好んで使われていますたが、やがて美しい木目と彫刻に適した材質のマホガニーがビクトリアン時代の高級家具に使われていきました。現在は過去の爆伐採での消滅により現在はマホガニーの輸入には厳しい規制がかけれれております。

 

引き締まった木目で頑丈ですが、軽く理想の素材

ジョージアン様式時代に作られたマホガニー材の家具は加工性が良く、耐久性が高い性質によりロココ様式やバロック様式などの華美な彫刻、透かし彫りなどの繊細な彫刻で作られました。

18世紀の家具デザイナー、「トーマス・チッペンデール」、」「ジョージ・ヘッペルホワイト」、「トーマス・シェラトン」、「ロバート・アダム」たちがデザインした家具もマホガニーがあったからこそ、できたことかもしれませんね。

 

収縮やひずみの少ないマホガニー材もウォールナットと同じようにインレイ細工に使われました。マホガニー材でできたアンティーク家具はどちらかというと、直線的なデザインのインレイが多くみられます。それは作られている家具の様式(デザイン)によるものです。

また家具だけではなく建物の内装にも使われ、当時の貴族やブルジョワジーの邸宅にはマホガニー競い合うように使いました。1749年に建てられたイギリスのチェスターフィールド公のお屋敷にはマホガニー材の腰壁が多く使われております。

 

均等で美しい模様

「リボン杢」と呼ばれる模様が特徴です。柾目に挽いた材にほぼ均等にあらわれる模様です。その名と通りリボンに見立てられてribbon stripe grainと呼ばれます。

はじめは淡い色をしているのが、時間がたつとだんだんと深みを増し、赤茶色に変化していくのも特徴です。

 

1720年代イギリスでは主にジャマイカからマホガニー(キューバンマホガニー、スパニッシュマホガニー)を輸入していました。(現在は入手がほぼ不可能)しかし40年間、爆伐採を続けた結果ジャマイカからマホガニーは消滅しました。その後1765年ごろからホンジュラス産のものに変わっていきました。19世紀にはメキシコやアメリカから「キューバンマホガニー」に似たクオリティのものが輸入され家具作りにも反映されました。ちなみに現在の現行品の家具には本物といえるマホガニーが使われているものはございません。。。

 

アンティーク家具で扱われるマホガニー材の品のグレードは様々です。

登場当初は裕福層向けの家具の材料として使われてきたマホガニーは、ヴィクトリアン時代の後半になると様々なマホガニーや木目や色が似た木材が輸入されるようになり、違いの良くわからない一般庶民に向けてマホガニー材の家具として売られるようになりました。実際に、表面にマホガニーの突板を使ってるだけで、枠はパイン材という家具も見かけます。パイン材はもともと乾燥に弱い木材なので、この枠のせいで家具にひびが入っている場合もあるのです。また19世紀後半以降のマホガニー材は木材を早く成長させ、乾燥時間も短いという品質の悪さで、ひびが入ってしまう家具もあります。。。